『八陣守護城』湖水御座船の場
■當る丑歳 吉例顔見世興行 #7
幕が開いてもまだ舞台は見えません。
一面が浅葱幕(水色の大きな布)で隠されています。
ストーリーの前説が音楽に乗って語られて、チョン!
柝(キ=拍子木のこと)が打たれると同時にさっと浅葱幕が切って落とされます。(言葉通り薄い布が吊された上から下に落ち、目の前がさっと変わる=この演出は歌舞伎によくありますが、ダイスキです☆)
そして…舞台の上にどーぉぉんと巨大な船。
半分くらいの観客は分かっているはずなのに「おぉっ」と声が上がり、まずそのセットで圧倒されます。
船の中央にどっしりと座っている佐藤正清(我當さん)。
右側では息子嫁・雛衣(秀太郎さん=我當さんの弟)が琴を弾いています。
左側に控える武士・斑鳩平次(進之介さん=我當さんの息子)と、小姓・正木大介(愛之助さん=秀太郎さんの養子)。
ゆったりと、琵琶湖の船旅を楽しんでいる様子。
設定の説明⇒このお芝居は江戸時代に作られたものなので、時の徳川幕府に関わる歴史上の人物をそのまま描くとイカンので、名前だけ変えています。
ここでは佐藤正清=加藤清正、です。(こんなに分かりやすくても大丈夫だったんだね
)
太閤秀吉亡き後、徳川家康が将軍になり豊臣家は一大名まで没落します。
その再興を志していたのが加藤清正。
家康は豊臣家廃除を狙い、正清(=清正)と雛衣の父親に毒入りの酒を飲ませており、すでに雛衣の父親は死んでいました。。。お芝居に戻る⇒
そこへ家康から見送りの使者を乗せた小船がやってきます。
正清は元気? 気分悪くない?
そんなことを尋ねながら顔色を窺いますが、正清におかしな様子は全くなし。
おっかしいなぁと呟きながら帰っていきます。
正清はさらにご機嫌で雛衣にもう1曲琴を弾かせます。(ここで、義大夫の太棹三味線が琴と同じ音色を演奏! 元々はたたき付けるように力強い音を出す三味線なので、この軽やかな演奏はオドロキでした
)
そこへまた家康からの使者を乗せた小船がやってきて、今度は大きな箱を餞別として渡していきます。
相次いで使者が来る。おかしいぞ。
餞別の箱を開けると暗殺者が飛び出しますが、家康の狙いを見抜いていた正清はあっさり返り討ちにします。
船上は御簾を下ろして厳戒体制に。
回り舞台が動いて、船首が正面にやってきます。
艫先に立つ正清は、毒が回ってきて刀を支えにようやく立っている状態。
雛衣も顔色の変化に気付きます。
しかし今ここで自分が死ねば、残された秀吉の息子・秀頼がピンチになることを知っている正清は、気力で生きているのでした。
よろめきながらも踏ん張り、いい眺めだ、と平静を装う。
その正清の姿で幕が下ります。
***
太閤びいきの大阪人が作ったストーリーなんでしょうね。
しかし、こーゆー主人公の姿を素直にカッコイイと思いますが、外国人が見たらどう感じるんだろう?
いや、それよりもこれは正に【浪花節】なことだから、関西人以外が見たらどう感じるんだろう?
そんな疑問を覚えながら、【カッコイイ】と思った自分の日本人・関西人・大阪人度にちょっと嬉しくなりました。
***
今まで我當さんを見た中で、1番かっこよく感じました![]()
***
前髪(元服前⇒少年のスタイル)姿のラブリン(=愛之助さん)![]()
歌舞伎でこの姿を見るのは2年振りくらいじゃないかな?
もーちょーかわいくて、ちょースキです![]()
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