■當る丑歳 吉例顔見世興行 #10
子供が生まれたばかりのラブラブ夫婦。
伊織(夫34歳⇒仁左衛門さん)「顔に虫がついてる」
るん(妻29歳⇒玉三郎さん)「とってくださいな」
伊織「よしよし」
るん「刺されたみたい…どうなっています?」
伊織「どれどれ。おっ黒くなってる」
るん「それはほくろですよぅ」
伊織「そうか! こんな所にほくろがあったかなぁ」
…
まー、もー、ちょぉぉぉぉっラブラブ
ですゎ。
お邪魔虫のご近所さんも、妻の弟も、いたたまれなく(見ていられなく)なって立ち去ります。
こんな二人ですが、実は伊織が明日から1年間の単身赴任へ。
本当はるんの弟が行くはずだったのに、直前に喧嘩して骨折したので義兄が代わりに行くことに。
愛しい妻と、結婚した年に植えて今年も間もなく花開こうとしている庭の桜に、1年後に帰ってくるからと涙ながらに別れを告げます。。。
【そして3ヶ月後】
鴨川近くの料亭で宴会中の伊織。
同僚たちにからかわれますが、素直に「(妻に)会いたい
帰りたい
」と答えるくらい寂しいらしい。
この宴会、伊織が新しく買った刀のお披露目会です。
手元の金では足りなかったので、同僚の下嶋甚右衛門(海老蔵)に金を借りて購入していました。
ただ、その下嶋がヤな奴なんだ!
他の同僚たちも散々に嫌っているので、宴会には呼んでいなかった…はすが、仲間外れを恨んで酔っ払った下嶋が乗り込んできます。
そして気のいい伊織をやたらめったらけなします。
手を付いて謝ってまで、ずっと堪えていた伊織ですが、キレた瞬間例の刀で下嶋を斬り付けます。
河原へ落ちていった下嶋を追って同僚たちが駆け出した後ろで、茫然とする伊織。。。
【そして37年後】
伊織とるんの家では、るんの甥(愛之助さん)とその妻(孝太郎さん)が転居の仕上げをしていました。
同僚殺人罪で、遠い丸亀家へお預け(帰宅禁止)になっていた伊織が許されて帰ってくることになっていたのです。
甥夫婦は、伊織とるんが思い出のこの家で再開できるように、夕方に来るようしらせていました。
(プレゼントで座布団を用意して並べますが、ちょっと顔を見合わせてから並んで座ってみたり…おちゃめなラブラブっぷりは伊織たちとどこか似てる)
甥夫婦が立ち去ってすぐに、髪も真っ白でよちよち歩くおぢーちゃんが入ってきます。
これが71歳になった伊織…
見た目はもぅ全く分かりません。
でもウキウキして家中歩き回る(座布団に気付いてくっつくくらいに寄せ合う)様子は、見たことのある人だ
そこへお供を引き連れた立派な駕籠が到着します。
出てきたのは真っ白でくちゃくちゃのおばーちゃん…これがるんか
るんも懐かしそうな様子で家へ上がります。(座布団のポジションを元へ戻したりして)
二人は一度それぞれに気付きますが、他人だと思ってお辞儀します。そしてまたうろうろキョロキョロ…
その内にようやく満開の桜の向こうに立ち止まった伊織が右手で鼻を押さえます。
あっ、その癖
「あなた…」
37年振りの再開は、飛び上がりたくても駆け寄りたくてもできない年になっていました。
それでもできる限りのフルスピードで近付いて、互いを見つめ合って。
おずおずと挨拶を交わし、
伊織はお預けではあったけれど不自由ない生活はしていた
るんは奥女中として働いてだいぶ出世した
今までを報告し、
伊織が旅立ってすぐに息子が病死したことに二人で涙し、
伊織を待ち続けたことを殿様に褒められた・るんから貰ったお守りを今まで肌身離さずもっていた、と自慢しあい…
涙と笑いと笑いと涙と。
見ているこちらも泣いて笑って笑って泣いて。
そんなにたくさん、ぺちゃくちゃと話すわけではありません。
でも、言葉言葉にすべて37年分の思いが詰まってる。
ホントものすごく感動しました。
いいお芝居を見た。。。
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